遅くなりました。

★2024年読んだ本ベスト3★

・・・3位・・・
「木谷道場と七十人の子どもたち」 木谷美春 著

2024年5月の私の履歴書は趙治勲。この本の紹介があり、即注文。
子供のころ囲碁を習っていたこともあり、何人かの囲碁棋士を40年前から知っているため、とても面白く読めた。
よその子を預かって弟子入りさせ育てたわけだが、子どもが大勢いるから楽しかったとあり、これはその通りだなーと思った。大勢といると楽しいんだなって。
著者は長野県の地獄谷の出身。小学校5年生の時、長野に行く際、豊野まで16キロ歩いて、そこから少しだけ電車に乗って長野に行ったとあり、とんでもない体力だなと思った。

・・・2位・・・
「ラングレーの問題にトドメをさす!」 斉藤 浩 著

(長くなります。点線の間は背景です)
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2024年、高3の同窓会があり、後日、同窓会の幹事さんから、唐突にこの問題解ける?と数学の問題が送られてきた。高3の娘さんが学校で出されたそう。三角関数を使わず中学校レベルの初等幾何で解けると先生は言っている。しかし、旦那さんも職場の人も誰も解けないとのこと。
私も5時間ほど考えたけれど、解けなかった。
ネットで調べてみると、ラングレーの問題(下図)というらしく、数値を入力すれば、答えが出るサイトを見つけ、答えを回答したところ、「大正解!!!さすが!!!」
「教えてほしいーーーー!」となった。

ラングレーの問題にたどり着いた経緯を説明し、本書籍に解法が書いてありそうなことも紹介した。

暫くして、もう少しわかってきた。
本書籍(2009年)にはすべての解法が掲載されておらず、1922年ラングレーがこの問題シリーズを発表して以来の未解決問題が残っていた。その解法を2015年Yahoo!知恵袋に「aerile re」氏が投稿。『初等幾何で整角四角形を完全制覇』となった。Yahoo!知恵袋にはすぐに、書籍の著者、「斉藤 浩」氏が反応し、日本のみにとどめておくわけにはいかないから、と英語で論文作成となったらしい。
いずれにせよ、世界の数学者が100年近く解けなかった問題を、マニアの日本人が解いちゃったという大ニュース。現代数学2016年2月号にも掲載されている。おそらくこれが数学の先生の間では話題にもなったのだろうと推測。
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そのような背景があり、本書を入手することにした。
そもそも、出された問題の解法は掲載されているのだろうかという疑問と、純粋に解き方を知りたいという気持ち。
それから、「できるまでやる」を実行したい気持ち。諦めない姿勢を幹事さんに伝えたい気持ち。自分の得意分野であることも知っている。
ただ、自分の人生にどれだけ役立つのか?時間の無駄ではないか?何のため?
いろいろ感情があった。

問題が解決すればいいので、必要な頁から見ていったが、よく理解できず、結局、初めからなぞるように読み進めることになった。

もらった問題は、全49061問のうち、自由度1(解法既知)の5778問に含まれるもの。
17パターンのうちの1つで、とりあえず解けたというか、あまりすっきりしない解法だなと思った。解ける前提で、無理やりな感じがある。

読み終えて、解き終えて、すっきりしない。
Yahoo!知恵袋の物語の感動が大きく、実際には、地道な数学だったからかな。
もっとスマートな解法があると思っていた。まだ他にスマートな解法があると思っているせいかな。

なお、この本は長野県の図書館には蔵書がなく、埼玉県の図書館から取り寄せてもらった。

普段手に取らない本であり、とっても印象に残った。

・・・1位・・・
「ファスト&スロー 上・下」 ダニエル・カーネマン 著

著者は、ノーベル経済学賞受賞者で行動経済学分野で有名。お金に関しての決定事項で、直感に従い、誤った非合理的な選択をするメカニズムについて、解明してくれている。お金のみならず、例えば面接で面接官が最終決定すると、選抜の精度が下がる可能性が高いなど、様々な意思決定において、直感の弊害が実験例から示されている。
2014年に東大でいちばん読まれた本と帯に書いてあり、東大生に10年も遅れを取ったなと思った。
非常に勉強になった。

上巻に続き、下巻も面白く読んだ。そもそもは行動経済学の本だが、心理学でいうフレーミングやリフレーミングにより判断が変わること、後悔、幸福の感じ方、など様々な実験を行い、統計をとって証明してくれている。
読み終える頃には、心理学の本を読んだような気分になった。

振り返ってみて

ファスト&スローは、お金にダイレクトに役立ちますよ。

数学の問題は、今やAIに聞けば終わりのような気がします。

囲碁について。
子供時代に学ぶことが大事なのは変わらない。

しかし、今やAIという手段があり、最高峰の考え方が学べる。
また、子供時代に先生や周りから怒られて嫌になる時期を経ないで学びを進めることができる。また、碁石を碁盤に置かなくても、画面上でサササッと流れるように手順を追える。効率的だ。格段に速く学べる環境になった。一方で、あーでもないこーでもないという揺らぎ考える過程をすっ飛ばしていいのだろうかとも思う。人間として学ぶべき大切なことが抜け落ちそうな、そんなことを考えてしまう。

今年も本を読みたいけれど、12月からまだ1冊も読んでいない。
積ん読も溜まっている。

時間は限られていますね。

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SHOGO

2001年から投資を始め、2019年から専業投資家。 1人でも多くの日本人が、日本のいい会社の株を保有することを願っています。 頭を使って稼ぐことを許容することで、日本から資産が流れないようになるといいなと思っています。

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