学生時代、大江健三郎氏がノーベル文学賞を受賞しました。
この時、私は大江健三郎氏を知りませんでした。
お昼ご飯の時、
競馬好きで私のニックネーム「ベル」の名付け親である友達、彼は優秀で大学院の試験を2番で合格した、その彼が、
「大江健三郎言うたら、“飼育”と“死者の奢り”しか読んだことないな」
ぼそっと言ったのでした。
彼の口からは、普段、競馬や酒の話しか出てこないけれど、
元々大江健三郎は作品が少なく、
友達は相当本を読んでいることがわかり、
この時、自分も本を読もうと心に決めたのでした。
私は、その後、芥川賞作品を第100回からさかのぼって戦後まですべて読みました。
“飼育”も“死者の奢り”も素晴らしい作品で、優秀な友達に感服し、本を読まねば、と改めさせられた、そんな出来事を今日思い出しました。